今日、いつもの帰り道に、座り込んで写真を撮っている人がいた。
その先を見てみると、桜の舞ういつもの川にシラサギが立っていて、なんとも言われぬ景色だった。
そしてその人の後ろに、心配そうに見ているご家族の方がいて、こちらを見ている。通るならやめさせようとしている顔だった。
いつもの道を通らなくても帰れるので、そうすることにした。しばらくして振り返っても、シラサギはそこに佇んでいた。
普段と変わらない町並みに、美しさを感じて写真を撮る人を、心から美しいと思った。
だから私は、何と言うか、愛ゆえに道を譲ったのだ。
いいことをしたからなのか、帰り道は車が少なかった。